〈第2回〉猫の膀胱炎の検査と治療法

こんにちは!国分寺ハートアニマルクリニックです。
前回は「猫の膀胱炎の原因と発症の仕組み」についてお話ししました。
第2回では、実際に膀胱炎が疑われるとき、どのような検査を行い、どのように治療していくのかをご紹介します。


1.膀胱炎の診断方法

猫の膀胱炎は、症状だけでは特定できません。
似た症状を示す病気(結石症や腫瘍など)もあるため、正確な検査による診断がとても重要です。

(1)尿検査

もっとも基本となる検査です。
尿のpH、比重、血液や結晶の有無、細菌の存在などを調べます。
尿の性状から、細菌性か特発性かをある程度推測することができます。
また、尿を培養してどの菌が関与しているかを調べることもあります。

(2)画像検査(超音波・レントゲン)

膀胱や尿道に結石やポリープがないかを確認します。
エコー検査では膀胱壁の厚みや炎症の状態も把握できるため、治療方針の判断に役立ちます。

(3)血液検査

腎臓の機能を確認したり、全身の炎症状態を把握したりするために行います。
慢性的な膀胱炎や併発症が疑われる場合に実施されます。


2.治療の基本方針

膀胱炎の治療は、原因に応じてアプローチが異なります。

(1)細菌性膀胱炎の治療

原因となる細菌に対して**抗菌薬(抗生物質)**を使用します。
適切な期間(通常7〜14日ほど)きちんと服用することが大切です。
症状が軽くなっても途中でやめると、再発や耐性菌の原因になることがあります。

(2)特発性膀胱炎の治療

明確な原因が見つからない場合は、炎症を和らげ、痛みを抑える治療が中心です。

  • 鎮痛剤・抗炎症薬の投与
  • ストレス軽減を目的とした環境改善
  • 食事療法(尿pHを安定させる療法食)
    これらを組み合わせ、膀胱の負担を減らしていきます。

(3)尿路結石を伴う場合

尿路結石が見つかった場合は、結石の種類に合わせた食事療法点滴治療を行います。
大きな結石がある場合は外科的な処置が必要になることもあります。


3.治療中の注意点

(1)トイレ環境を清潔に保つ

トイレが汚れていると、猫は排尿を我慢してしまいます。
1日1〜2回は掃除をして、猫が気持ちよく使える状態を保ちましょう。

(2)水分をしっかり取らせる

膀胱炎の改善には、尿を薄めて排出を促すことが重要です。
ウェットフードの利用や、複数の場所への水の設置も効果的です。

(3)ストレスを減らす

環境の変化をできるだけ少なくし、静かで落ち着ける場所を用意します。
飼い主とのスキンシップも、猫の安心感を高める助けになります。


4.再発予防への第一歩

猫の膀胱炎は一度治っても再発しやすい病気です。
治療中から再発予防の意識を持つことが大切です。
完治を焦らず、獣医師の指示に沿って通院・再検査を続けましょう。


5.まとめ

膀胱炎の治療は、単に薬を飲ませるだけでなく、
生活環境やストレスケアまでを含めた総合的な管理が鍵となります。
早期発見と再発予防を両立させることが、猫の快適な毎日に繋がります。

次回はシリーズ最終回、
「猫の膀胱炎を防ぐための生活ケアと環境づくり」についてご紹介します。

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