犬猫の混合ワクチン接種とは感染症を予防するために重要な予防接種です。
無毒化もしくは毒性を弱めた病原体を体内に注入し、「抗体」を作ることで感染症を予防します。体内に抗体を作ることにより、病原体に感染したとしても症状を軽くすることが可能となります。

子犬は約6週齢から1か月毎に3回、子猫は1か月毎に2〜3回行います。(年齢や生活環境によって変わります)

犬・猫の混合ワクチン接種を受ける間隔については様々な見解がありますが、当院ではワクチン予防接種を望まない方にも抗体価検査を受けていただくこともできます。
抗体価検査には採血が必要となるため、年に1度の健康診断の際などにその時点で愛犬が持つ抗体について調べることもできます。

その犬・猫さんそれぞれにあった生活スタイルや生活環境によって、ワクチンを打つ種類や必要性など変わってきます。

接種するワクチンの種類や抗体価の検査でお悩みの方がいらっしゃいましたら一度ご相談下さい。

「抗体価」とは

動物の体内にある、特定の病気に対する抵抗力を持ったペプチド(タンパク質群)の事を「抗体」と言います。
その抗体を作り出すために接種するのが「ワクチン」で、抗体の量が「抗体価」です。
十分な量の抗体がある(=抗体価が高い)場合にはワクチンの接種は原理上必要なく、
逆に抗体がない(=抗体価が低い)場合には接種が必要になります。

狂犬病注射

狂犬病は人間も含め哺乳類がかかる伝染病で、発症するとほぼ100%死亡してしまう恐ろしい病気です。
狂犬病ウイルスに感染した動物にかまれることで感染します。
日本では昭和32年(1957年)以降発生していませんが、流通の国際化により海外との往来が頻繁になっている現在、いつ狂犬病に感染した動物が入ってきてもおかしくない状況です。 

日本では、狂犬病の流行を防ぐ為、飼い犬の登録及び毎年の予防注射が、狂犬病予防法により全ての91日齢以上の犬は年に1回の接種が義務付けられています。
ワクチン接種(狂犬病ワクチン・混合ワクチン)により、まれにアレルギー反応が起こる場合があります。
アレルギーの症状としては、主に発熱・嘔吐・発疹・顔面が腫れるなどの軽い症状から、非常にまれですがひどい場合ではショック状態に陥り、命に関わることもあります。(アナフィラキシーショック) 

そのため、狂犬病予防注射と混合ワクチンを一緒に打つことはできません。
ワクチンアレルギーが出てしまった場合、原因を判断できなくなる為です。また、2つ同時に打つと副作用が増強する可能性があります。 
当院では、アレルギー症状が起こった場合に適切な対応・処置をさせていただくためにも、ワクチン接種はできるだけ午前中の診察時間を推奨しております。なおワクチン接種は、体調の良い日にご来院ください。