犬の頸部椎間板ヘルニアとは?首を痛がる・抱っこを嫌がるときに考えたい病気

犬の頸部椎間板ヘルニアは、首の骨の間にある椎間板が変性し、神経を圧迫することで痛みや動きづらさが出る病気です。歩けている状態でも発症することがあり、「元気はあるけれど様子がいつもと違う」と感じて来院されるケースも少なくありません。

頸部椎間板ヘルニアはなぜ起こるのか

椎間板の役割

椎間板は背骨同士のクッションの役割を果たしており、首を動かす際の衝撃を和らげています。この椎間板が加齢や体質の影響で変性すると、正常な位置から飛び出しやすくなります。

起こりやすい犬の特徴

小型犬や胴が長い犬種で多いとされていますが、中型犬や大型犬でも発症することがあります。加齢に加え、ジャンプや急な動きがきっかけになる場合もあります。

こんな症状が見られたら注意

首や動きの変化

首を動かしたがらない、下を向かない、抱っこを嫌がるなどの様子が見られることがあります。歩けていても、首周りに触れられるのを嫌がる場合は要注意です。

行動の変化

元気がない、動きがゆっくりになる、いつもより静かに過ごしているなど、痛みを我慢しているサインが行動に表れることもあります。

検査と診断の考え方

診察で確認するポイント

歩き方や姿勢、首の動き、痛みの反応などを確認し、神経に異常が出ていないかを評価します。軽度の場合、歩行に大きな異常が出ないこともあります。

追加検査が必要な場合

症状の程度によっては、画像検査を行い、椎間板の状態を詳しく確認することがあります。これにより、治療方針をより正確に判断します。

治療と経過について

内科的治療が中心となるケース

歩行が可能で神経症状が軽い場合は、安静と内服治療を中心に管理することが多くなります。首に負担をかけない生活が重要になります。

経過観察の重要性

症状が落ち着いても、再発のリスクがあるため、一定期間は慎重な経過観察が必要です。無理に普段通りの生活に戻さないことが大切です。

自宅で気をつけたいこと

生活環境の工夫

首に負担がかからないよう、ジャンプを控えさせ、段差を減らす工夫が有効です。散歩時には首輪ではなく、ハーネスの使用が勧められることもあります。

早めの相談が安心につながる

頸部椎間板ヘルニアは、早期に対応することで重症化を防げる可能性があります。首の痛みや動きの変化に気づいたら、早めに相談することが大切です。

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