犬と猫の胆管炎とは？元気がない・食欲が落ちたときに考えたい肝臓と胆道の病気
kokubunji_adminこんにちは！国分寺ハートアニマルクリニックです！
「最近なんとなく元気がない」「食欲にムラがある」「検査をしても原因がはっきりしない」
このような症状の背景に隠れていることがあるのが**胆管炎（たんかんえん）**です。胆管炎は犬猫どちらにもみられますが、症状が分かりにくく、見逃されやすい病気のひとつです。
胆管炎とはどんな病気か
胆管の役割とは
胆汁が担う働き
胆汁は肝臓で作られ、脂肪の消化を助ける重要な消化液です。この胆汁は胆管を通って腸へと運ばれます。
胆管に炎症が起こると
胆管に炎症が起こると胆汁の流れが悪くなり、肝臓そのものにも負担がかかるようになります。
胆管肝炎との違い
肝臓まで炎症が及ぶケース
炎症が胆管だけでなく肝臓にも広がった場合、「胆管肝炎」と呼ばれることがあります。臨床上は明確に分けず、まとめて扱われることも多い病気です。
犬と猫で異なる胆管炎の特徴
猫に多い胆管炎の特徴
複数の臓器が関係しやすい
猫では胆管炎・膵炎・腸炎が同時に起こることが多く、体調不良の原因が一つに絞れないケースも少なくありません。
犬に多い胆管炎の特徴
胆嚢や胆汁の流れが関係することも
犬では胆嚢の異常や胆汁の流れの障害がきっかけとなり、胆管炎を発症することがあります。
こんな症状が続いていませんか
はっきりしない体調不良
よく見られる変化
・元気がない状態が続く
・食欲が落ちたり、日によってムラがある
・嘔吐や軟便を繰り返す
・体重が少しずつ減ってきた
急激な悪化がないことも
胆管炎は急激に悪化せず、ゆっくり進行することも多いため、様子見されやすい点が特徴です。
なぜ胆管炎は見逃されやすいのか
初期検査では異常が軽いことがある
血液検査だけでは分かりにくい
初期段階では肝酵素の上昇が軽度なこともあり、重大な病気と判断されにくい場合があります。
慢性的に進行するケース
飼い主さまが変化に気づきにくい
少しずつ元気が落ちていくため、「年齢のせい」と思われやすく、発見が遅れることがあります。
胆管炎の検査では何を調べるのか
血液検査で分かること
肝臓や炎症の数値
肝酵素や炎症反応の変化を確認し、全身状態を把握します。
超音波検査の重要性
胆管・胆嚢・肝臓を直接確認
エコー検査では胆管の拡張や胆嚢の状態、肝臓の変化を視覚的に確認でき、診断の大きな手がかりになります。
治療と長期管理の考え方
原因に応じた治療
感染・炎症への対応
原因に合わせて、炎症を抑える治療や必要な内科治療を組み合わせて行います。
慢性化した場合の管理
定期的な検査の重要性
胆管炎は短期間で改善するケースもありますが、慢性化すると長期管理が必要になります。定期的な検査で状態を確認することが大切です。
日常生活で気をつけたいポイント
飼い主さまができること
体調変化を見逃さない
・食欲や元気の変化を記録する
・嘔吐や下痢が続く場合は早めに相談する
・定期健診で肝臓や胆道のチェックを受ける
まとめ
胆管炎は、犬猫どちらにも起こりうる見逃されやすい病気です。「なんとなく調子が悪い」というサインが続く場合、背景に肝臓や胆管のトラブルが隠れていることがあります。気になる変化があれば、早めにご相談ください。
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