【第4回】門脈体循環シャント(PSS)は治る?手術と内科管理、それぞれの考え方

こんにちは!国分寺ハートアニマルクリニックです!
第3回では、門脈体循環シャント(PSS)がどのような検査で見つかるのかについて解説しました。
最終回となる今回は、PSSの治療方法と、手術と内科管理それぞれの考え方についてお話しします。


門脈体循環シャントの治療の基本的な考え方

すべてのケースで同じ治療になるわけではない

病態に応じた対応が必要

PSSは、血管の形や数、肝臓の状態によって治療方針が大きく異なります。そのため、「必ず手術」「必ず薬」という単純な判断はできません。

生活の質を重視した治療

症状の改善と、日常生活をできるだけ快適に過ごせることを目標に治療方針を決めていきます。


手術による治療について

手術が検討されるケース

先天性PSSの場合

単独の異常血管が原因となっている先天性PSSでは、手術が選択肢となることがあります。血流を正常に近づけることで、症状の改善が期待できます。

若齢で全身状態が安定している場合

体力があり、肝臓の状態が比較的保たれている場合は、手術が検討されやすくなります。

手術前に必要な準備

事前の内科管理

手術前には、食事管理や内服治療で体調を安定させることが重要です。準備をしっかり行うことで、手術のリスクを下げることにつながります。


内科的管理による治療

内科管理が中心となるケース

後天性PSSや複雑な血管異常

複数の血管が関与している場合や、他の肝疾患が背景にある場合には、内科管理が中心となります。

手術が適さない場合

年齢や全身状態によっては、無理に手術を選択せず、内科管理で症状のコントロールを目指すこともあります。

内科管理で行うこと

食事と薬によるサポート

肝臓に負担をかけにくい食事管理や、体内環境を整えるための内服治療を組み合わせて行います。


治療後・管理中に気をつけたいポイント

定期的な検査の重要性

状態の変化を早めに捉える

治療後も、定期的な検査によって肝臓の状態や体調の変化を確認することが大切です。

日常生活での注意点

飼い主さまができるサポート

・食後の様子を観察する
・元気や食欲の変化を記録する
・症状がぶり返した場合は早めに相談する


長期的な付き合い方について

完治を目指すケースと管理を続けるケース

目標は「安定した生活」

PSSは、治療によって大きく改善することもあれば、長期管理が必要になることもあります。大切なのは、症状をコントロールしながら安定した生活を送ることです。


まとめ

門脈体循環シャント(PSS)の治療は、手術と内科管理のどちらか一方だけで考えるものではなく、状態に応じて選択されます。適切な治療と継続的な管理によって、生活の質を保つことが可能です。治療方法について不安や疑問があれば、遠慮なくご相談ください。

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