【犬の股関節形成不全】大型犬に多い関節の病気
こんにちは!国分寺ハートアニマルクリニックです。
これまでのシリーズでは、第1回で「膝蓋骨脱臼」、第2回で「前十字靭帯断裂」をご紹介しました。第3回となる今回は、大型犬に多く見られる 股関節形成不全 について詳しく解説いたします。
1. 股関節形成不全とは?
1-1. 病気の仕組み
股関節は大腿骨の骨頭が骨盤のくぼみに収まることで安定しています。股関節形成不全では、この構造がうまく形成されず、関節が不安定になってしまいます。
1-2. 遺伝的要因
多くは遺伝性とされており、繁殖時の遺伝的管理が重要視されています。
2. 好発犬種と年齢
2-1. 好発犬種
- ラブラドールレトリーバー
- ゴールデンレトリーバー
- ジャーマンシェパード
- セントバーナード
2-2. 発症時期
成長期(生後4〜12か月頃)から症状が現れることがあり、加齢により関節炎が進行するケースも少なくありません。
3. 主な症状
3-1. 初期症状
- 後ろ足を外側に流すような歩き方
- 長い散歩の後に疲れやすい
- 階段を嫌がる
3-2. 進行すると
- 後肢の筋肉が痩せてくる
- 歩行が困難になり、慢性的な痛みを訴える
4. 診断方法
4-1. 身体検査
関節の可動域を調べ、異常な動きを確認します。
4-2. 画像検査
レントゲン検査で股関節の形成状態を評価し、診断を確定します。
5. 治療方法
5-1. 保存療法
- 体重管理で関節への負担を軽減
- 消炎鎮痛薬の投与
- サプリメントによる関節サポート
- 水中トレッドミルなどのリハビリ
5-2. 外科療法
症状が重い場合は外科手術が検討されます。
代表的な手術法には、股関節の入れ替えを行う人工股関節全置換術などがあります。
6. 飼い主さんができること
6-1. 日常での工夫
- フローリングに滑り止めマットを敷く
- 階段や高い段差の使用を控える
6-2. 健康管理
- 適正体重を維持することが最も重要
- 定期的な健康診断で関節の状態をチェック
まとめ
股関節形成不全は大型犬で特に多い整形外科疾患です。遺伝的な要因が関与し、若齢期から歩行異常が出ることがあります。体重管理やリハビリで進行を抑えることができる一方、重度の場合は外科手術が必要になるケースもあります。早期に異変に気づき、適切に対応することで、愛犬の快適な生活を守ることができます。
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