【第3回】外から見えない「内臓の腫瘍」——気づきにくいサインと健康診断の役割

1. はじめに

1-1. 見えない場所で進行する腫瘍

こんにちは!国分寺ハートアニマルクリニックです。
皮膚の腫瘍は触って見つけることができますが、内臓にできる腫瘍は、体の内側で静かに進行していきます。症状がはっきり現れたときには、かなり進行していることもあり、「もっと早く気づけていたら」と感じるご家族も少なくありません。

1-1-1. シニア期で特に注意したい理由

年齢を重ねるほど、内臓の腫瘍と出会う可能性は高まります。「歳だから仕方ない」と思ってしまう変化の裏に、病気が隠れていることもあるため、少しだけ注意深く見てあげることが大切です。

2. 内臓腫瘍の主なタイプと特徴

2-1. 脾臓の腫瘍

犬では、脾臓に腫瘍ができるケースが多く見られます。脾臓は血液を多く含む臓器のため、腫瘍が破裂するとお腹の中に出血し、急激な状態悪化を引き起こすことがあります。

2-1-1. 「急にぐったりした」というサイン

それまで比較的元気だったのに、突然ぐったりして立てなくなった、歯ぐきの色が急に白っぽくなった、といったときには、脾臓腫瘍の破裂による大出血が起きている可能性もあり、緊急の対応が必要です。

2-2. 肝臓や消化管の腫瘍

肝臓の腫瘍は、かなり大きくなるまで症状が出にくいことがあります。消化管にできる腫瘍は、嘔吐や下痢、食欲の低下といった症状として現れますが、慢性的な胃腸炎と区別がつきにくいこともあります。

2-2-1. 「なんとなく続く不調」を見逃さない

数日で治る体調不良と違い、内臓の腫瘍による症状は、じわじわと長く続くことが多い傾向があります。食欲が落ちたまま戻らない、体重が少しずつ減っている、といった変化は、一度きちんと検査を受けるきっかけになります。

3. 早期発見のためにできること

3-1. 日常の様子を「いつも」と比べる

内臓の腫瘍は、飼い主さんが少しの変化を感じ取ることから見つかることも多い病気です。ごはんを食べ終える時間、散歩の歩幅、遊びに誘ったときの反応など、「いつもの様子」と比較して違和感がないか気にかけてみてください。

3-1-1. 迷ったときは早めの相談を

「この程度で病院に行ってよいのかな」と迷う方も多いですが、その感覚自体が大切なサインです。結果として大きな病気ではなかったとしても、安心できる検査は今後の健康管理にも役立ちます。

3-2. 健康診断の役割

血液検査や超音波検査は、内臓の状態を把握するうえでとても有効な方法です。

3-2-1. シニア期の定期検査のすすめ

特にシニア期に入ったワンちゃん・ネコちゃんには、年に一度、場合によっては半年に一度の健康診断をおすすめしています。自覚症状が出る前の段階で変化を捉えられることがあり、治療の選択肢を広げるきっかけになります。

4. まとめ

内臓の腫瘍は外から見えないぶん、発見が遅れやすい病気です。しかし、日常の小さな違和感に気づくことと、定期的な健康診断を組み合わせることで、早期発見の可能性を高めることができます。「少し気になる」が出てきたときには、どうぞお気軽にご相談ください。

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