猫の肥大型心筋症とは？症状が出にくい心臓病に注意

こんにちは！国分寺ハートアニマルクリニックです。
猫の心臓病の中で最も多いとされているのが「肥大型心筋症」です。見た目では分かりにくく、元気そうに見えていても病気が進行していることがあります。今回は、猫の肥大型心筋症について、基本的なポイントを分かりやすく解説します。

肥大型心筋症とは

心臓の筋肉に起こる異常

肥大型心筋症は、心臓の筋肉（心筋）が異常に厚くなる病気です。心筋が厚くなることで心臓の中の空間が狭くなり、血液を十分にためることができなくなります。

心臓の働きへの影響

血液をためにくくなる仕組み

心臓に入る血液量が減ることで、全身に送られる血液量も低下します。その結果、心臓は無理に働き続ける状態となり、さらに負担がかかってしまいます。

猫で多い理由

猫の特性との関係

猫は体調不良を外に出しにくい動物です。多少の不調があっても行動に大きな変化が出にくく、心臓病が進行していても気づかれないことがあります。

遺伝との関係

若い猫でも発症する可能性

肥大型心筋症には遺伝的な要因が関与していると考えられています。そのため、シニア猫だけでなく、比較的若い猫でも発症することがあります。

症状が出にくい心臓病の特徴

無症状で進行するケース

肥大型心筋症では、かなり進行するまで目立った症状が見られないことも少なくありません。食欲や元気があるように見えても、心臓に負担がかかっている場合があります。

見逃されやすい変化

年齢変化と間違えやすい点

寝ている時間が増える、遊ばなくなるといった変化は、年齢のせいだと思われがちですが、心臓病が関係している可能性もあります。

動物病院で行う検査

基本的な検査

診察ではまず聴診を行い、心雑音や心拍の異常がないかを確認します。あわせてレントゲン検査で心臓の大きさや肺の状態を評価します。

心エコー検査の重要性

心筋の厚みを直接確認

心エコー検査では、心筋の厚さや心臓の動きを直接確認することができます。肥大型心筋症の診断や経過観察に欠かせない検査です。

定期チェックの重要性

早期発見のメリット

肥大型心筋症は、症状が出る前から心臓に変化が起きていることがあります。無症状の段階で発見できれば、状態に応じた管理を早く始めることができます。

健康診断の活用

定期的な検査のすすめ

猫の肥大型心筋症は、元気そうに見えていても進行していることがあるため、定期的な健康診断がとても重要です。健診では聴診や画像検査を通して心臓の状態を確認し、異変を早期に発見できる可能性があります。定期的に心臓の状態を把握しておくことで、急な体調変化のリスクを減らし、安心して日常生活を送るための備えにつながります。

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