フゴフゴ、ゼーゼー…呼吸が苦しそう？― 犬の短頭種呼吸器症候群の症状と治療法 ―
kokubunji_adminこんにちは。国分寺ハートアニマルクリニックです🐾
フレンチブルドッグやパグ、シーズーなど、鼻がぺちゃんこな“短頭種”のワンちゃんは、
その可愛らしい見た目の反面、呼吸にまつわる問題を抱えやすい犬種でもあります。
その代表的なものが「短頭種呼吸器症候群（BOAS）」です。
🐾短頭種呼吸器症候群とは？
「短頭種呼吸器症候群（BOAS：Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome）」とは、
短頭種に特有の複数の呼吸器構造の異常が重なって起きる呼吸障害のことを指します。
以下のような構造的な問題が組み合わさって、空気の通り道（気道）が狭くなり、呼吸がしにくくなる状態です。
主な解剖学的異常
- 外鼻孔狭窄（鼻の穴が狭い）
- 軟口蓋過長（喉の奥の軟口蓋が長すぎる）
- 喉頭小嚢の外反（喉の粘膜が飛び出る）
- 気管低形成（気管の直径が細い）
🐶こんな症状は要注意！
- フゴフゴ・ガーガーといういびきのような呼吸音
- 興奮や運動時に息が荒くなりやすい／苦しそうにする
- 暑さに弱い、熱中症になりやすい
- 睡眠中に無呼吸のようになる
- 舌が紫色になる（チアノーゼ）
- 重度になると、失神や呼吸困難で命に関わることも！
🩺治療法
🔹 内科的管理（軽度の場合）
- 体重管理：肥満は呼吸の負担を大きくするため、スリムな体型維持が重要
- 涼しい環境での生活：暑さ対策を徹底し、熱中症を防ぐ
- 運動制限：興奮や激しい運動を避ける
- 消炎剤や気道拡張薬の使用（症状に応じて）
🔹 外科的治療（中～重度の場合）
- 鼻の穴を広げる手術（外鼻孔形成術）
- 長すぎる軟口蓋の切除（軟口蓋切除術）
- 喉頭小嚢の切除など
- 手術により呼吸の質が大幅に改善するケースも多いです
📝まとめ
「いびきをかくのは当たり前」ではありません。
短頭種の呼吸器トラブルは進行性で、放っておくと命に関わることもあります。
愛犬の「いつも通り」をよく観察し、呼吸が荒い・苦しそうと感じたら早めにご相談ください。
**手術や生活環境の工夫で、多くのワンちゃんの呼吸が楽になります。**🐾✨
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