尿の異常は腎臓からのSOSかも？― 犬の糸球体腎炎の症状と治療法 ―
kokubunji_adminこんにちは。国分寺ハートアニマルクリニックです🐾
「尿の色が変」「たくさん水を飲むようになった」――
そんな変化が見られたら、腎臓の病気のサインかもしれません。
なかでも糸球体腎炎（しきゅうたいじんえん）は、
腎臓のフィルターにあたる“糸球体”に炎症が起きる病気で、進行すると腎不全へとつながることもあります。
🐶糸球体腎炎とは？
腎臓には、血液から老廃物や余分な水分をろ過する「糸球体（しきゅうたい）」という構造があります。
この部分が炎症を起こすと、タンパク質が尿に漏れ出したり、腎機能が徐々に低下していきます。
多くは免疫の異常（自己免疫疾患）や感染症などが引き金となり、慢性的に進行します。
🐾主な症状
糸球体腎炎は初期には無症状のことも多く、症状が現れたときには病気が進行していることもあります。
- 尿にタンパクが混ざる（尿検査で発見）
- 水をよく飲む、尿量が増える（多飲多尿）
- 食欲不振、元気がない
- 嘔吐や体重減少（腎機能の悪化に伴って）
- 顔や足のむくみ（タンパク喪失性腎症による）
- 高血圧や貧血
🧪診断に必要な検査
- 尿検査（尿タンパク／クレアチニン比など）
- 血液検査（BUN・クレアチニン・アルブミンなど）
- 血圧測定（高血圧の有無）
- 超音波検査（腎臓の形態変化）
- 免疫検査（原因となる疾患の評価）
💊治療法
🔹 内科的治療（保存療法）
- ACE阻害薬：糸球体への圧力を下げ、尿タンパクの排泄を抑える
- 高血圧の管理：降圧薬の使用
- 低タンパク・腎臓サポート食への切り替え
- 免疫抑制剤（原因が自己免疫性の場合）
- 必要に応じて点滴療法や貧血の補助治療
🔹 原因疾患の治療
- 感染症、免疫異常、腫瘍性疾患などが背景にある場合、それぞれの基礎疾患に対する治療も並行して行います
📝まとめ
糸球体腎炎は早期発見・継続的なモニタリングが重要な病気です。
「尿に異常がある」「水をよく飲むようになった」などの小さな変化に気づいたら、
早めの検査・治療で腎臓への負担を抑えることができます。
愛犬の腎臓を守るためにも、定期的な健康チェックをおすすめします🐾💧
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